電気代は、季節や使用する家電によって変動しますが、最近はそれ以上に高くなっていると感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、電気代が高騰している理由や、自分の家の電気代を調べる方法についてご紹介します。
電気代が異常に高い原因とは?
日本の電気代は近年、高騰しています。
その背景には様々な要因がありますが、ここでは主な4つの原因を紹介します。
①原油価格の高騰による影響
②円安による影響
③電力設備の老朽化による影響
④再生可能エネルギーの導入拡大による影響
原油価格の高騰による影響
電力会社は、火力発電所で石油や石炭などの化石燃料を使って電気を作ります。
化石燃料の価格は、国際市場での需給バランスや地政学的なリスクなどによって変動しますが、近年は中東やロシアなどの産油国での供給不安や、中国やインドなどの新興国での需要増加などで高騰しています。
特に、日本は化石燃料のほとんどを輸入に頼っているため、原油価格の上昇は電力会社の燃料費を大きく押し上げているでしょう。
電力会社は、燃料費の増加分を電気料金に反映させることで収支を調整しているため、電気代が高くなる一つの原因と言えるでしょう。
円安による影響
円安とは、日本円の価値が外国通貨に対して低下することです。
円安になると、輸入品の価格が上昇するでしょう。日本は化石燃料を外貨で購入するため、円安になると燃料費が増加します。
また、原油価格もドル建てで決まるため、円安になると原油価格も円換算で上昇します。これらのことから、円安は電力会社のコストを増やし電気代を高くする要因となるでしょう。
電力設備の老朽化による影響
日本の電力設備は、長年にわたって使用されてきました。
そのため、劣化や故障が起こりやすくなっています。
特に、原子力発電所の事故や停止によって、火力発電所の稼働率が上がりました。火力発電所は、燃料費が高く環境にも悪影響を与えます。
また、送電線や変電所などのインフラも老朽化しており、損失やトラブルも増加傾向です。
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これらの問題は、電力会社のコストを増やし、結果的に消費者の電気代の高騰に繋がっています。
再生可能エネルギーの導入拡大による影響
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギーを利用した発電のことです。
環境に優しく、枯渇する心配がないというメリットがあります。しかし、再生可能エネルギーは発電量が不安定であることや、送電網の整備が不十分であることなどの課題があるのも現状です。
そのため、再生可能エネルギーを導入するには高いコストがかかってしまい、このコストは電気料金に反映される形で消費者に負担させられます。
具体的には、再生可能エネルギー発電事業者に対して一定期間固定価格で電力を買い取る制度である固定価格買取制度(FIT)や、再生可能エネルギーの普及促進を目的とした税金である再生可能エネルギー促進税などが挙げられます。
これらの制度は、再生可能エネルギーの普及には有効ですが、同時に電気代の上昇要因となっているでしょう。
電気代が高い原因を調査する方法
ここからは、電気代が高い原因を調査する方法を見ていきましょう。具体的には、次のような方法が挙げられます。
①電気使用量を確認する
②電気料金を確認する
③電気代を計算する
ひとつずつ解説していきます。
電気使用量を確認する
まずは、自分の家庭の電気使用量を確認しましょう。
電気使用量は電力メーターで測ることができ、電力メーターは家の外壁や玄関に設置されていることが多いです。
電力メーターには、数字や針が表示されています。数字はその時点での累計の電気使用量を示しており、針はその瞬間の電気使用量を示しています。
数字や針の変化を観察することで、どのくらいの電気を使っているか把握することが可能です。
また、家庭内の電化製品の使用状況も確認しましょう。どのような電化製品を使っているか、どれくらいの時間使っているか、どれくらいの消費電力があるかなどを調べることで、電気使用量の内訳を知ることができるでしょう。
消費電力は、製品に記載されている場合や、メーカーのホームページなどで調べることができ、消費電力が高い製品や長時間使う製品は、電気代に大きく影響します。
電気料金を確認する
自分の契約している電力会社やプランの電気料金を確認しましょう。
電気料金は、基本料金と従量料金から構成されます。
基本料金は契約する容量やプランによって決まり、従量料金は使用する電気量に応じて決まります。
従量料金は、時間帯や季節によって変動する場合もあるので注意が必要です。また、税金や再生可能エネルギー発電促進賦課金なども加算されます。
自分の契約している電力会社やプランの詳細は、請求書やホームページなどで確認することができるので確認しておきましょう。
また、他の電力会社やプランと比較することもできます。比較する際には、自分の家庭の使用パターンやニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
電気代を計算する
家庭の電気代を計算することも、電気代が高い原因を知る手がかりになります。
計算方法は以下の通りです。
「基本料金+(従量料金×使用)+税金+再エネ賦課金+燃料費等調整額」
例えば、次のような条件で計算してみましょう。
・基本料金: 1000円
・従量料金: 1kWhあたり20円
・使用量: 100kWh
・税金: 10%
・再生可能エネルギー発電促進賦課金: 5円
・燃料費等調整額: 2円
この場合、電気代は以下のようになります。
1000+(20×100)+(1000×0.10)+5+2=3107円
電気代を節約する方法
電気代を節約するには、このような方法が挙げられます。
・電化製品を選び直す
・電力料金のプランを見直す
これらの方法は、比較的簡単に実践できるものですが、効果は大きいものです。
電化製品を選び直す
電気代を節約するには、まずは自宅の電化製品を見直すことが大切です。
電化製品は消費電力やエネルギー効率によって、電気代に大きな差が出ます。例えば、冷蔵庫やエアコンなどの大型家電は、古いものほど消費電力が高くエネルギー効率が低いことが多いです。
そのため、新しいものに買い替えることで電気代を大幅に削減できる場合があります。また、テレビやパソコンなどの小型家電も、使用頻度や設定によって消費電力が変わります。
例えば、テレビの明るさや音量を下げたり、パソコンのスリープモードを活用したりすることで無駄な電力消費を抑えることができるでしょう。
さらに、使用しないときは必ずコンセントから抜くことも忘れずに行うと良いです。
電力料金のプランを見直す
電気代を節約するもう一つの方法として、自分のライフスタイルに合った電力料金のプランを選ぶこともおすすめです。
現在、日本では電力自由化によって様々な電力会社から様々なプランが提供されています。例えば、時間帯別料金やピークシフト料金などのプランが挙げられます。
時間帯別料金は、時間帯によって単価が変わるプランで、夜間や休日などの安い時間帯に多く電気を使う人におすすめです。
ピークシフト料金は、昼間のピーク時に高く他の時間帯に安くなるプランで、昼間に外出する人や夜型の人におすすめです。
これらのプランは、自分の生活パターンや使用量に応じて選ぶことで、電気代を節約できる可能性が高いでしょう。
電気代が高い原因のまとめ
電気代が高いと感じる方は多いでしょう。
しかし、その原因は一つではなく多岐にわたります。原油価格や円安などの国際的な要因や、再生可能エネルギーの導入や電力自由化などの国内的な要因など、様々なものが複雑に絡み合っています。
消費者としては、節電やエネルギー効率の高い家電の選択などで電気代を節約することができますが、根本的な解決には、政府や電力会社の取り組みが必要です。
また、電気代を節約する方法として、電化製品を選び直すことと、電力料金のプランを見直すことなどが挙げられます。これらのポイントを抑え、電気代を賢く節約していきましょう。