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高圧電力とは?低圧との違いと、契約を見直すべきタイミングとは

公開日:
2025.04.22

近年、エネルギー価格の高騰が続き、電気料金は企業の経営を左右する重要なコスト要素となっています。

特に工場やオフィスビル、商業施設といった電力使用量の多い事業者にとっては、どの契約区分で電気を利用しているかが、電気代に直接関わる重要なポイントになります。

中でも高圧電力は、使用電力がある一定規模を超えた際に適用される契約形態で、低圧契約とは電圧・設備・料金体系において大きな違いがあります。

しかし、使用状況に見合わない契約を続けていると、不要なコストが発生している可能性もあります。

この記事では、「高圧」と「低圧」の違いを整理した上で、契約を見直すべきタイミングや判断のポイントについてわかりやすく解説していきます。

電気料金の見直しを考えるきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。

高圧電力とは?契約電力や設備の特徴をわかりやすく解説

高圧電力は、主に工場や中規模の商業施設、オフィスビルなどで利用される電力契約の一種です。

低圧契約と比較して電気の供給方法や必要な設備、契約の内容に違いがあり、事業規模や使用電力に応じた適切な契約を選ぶことが、コスト管理や設備運用の面でも重要になります。

ここでは、高圧電力の契約電力や設備の基本的な特徴について、2つの視点からわかりやすく解説します。

①一般的に50~500kWの契約電力が対象

高圧電力とは、一般的に契約電力が50kW〜500kW程度までの需要家が対象となる契約形態です。

供給される電圧は約6,600ボルト(6kV)で、電力を大量に使用する中規模施設で広く利用されています。

たとえば、照明や空調に加えて、生産設備や業務用冷蔵庫などを常時稼働させる工場、病院、学校、スーパーマーケットなどが該当します。

このような施設では、低圧契約では容量が不足するため、高圧での受電が必要になります。

高圧契約では、基本料金と使用料金(従量料金)が発生し、契約電力や使用状況によって単価が設定されます。

そのため、実際の使用量と契約内容が合っているかを定期的に見直すことが、電気料金の適正化に役立ちます。

②高圧=キュービクルあり・低圧=電柱から直接引き込み

高圧契約では、電力会社から供給される6,600ボルトの電気を施設内で使用できる電圧(100Vや200Vなど)に変換するための設備が必要です。

その代表的な設備が「キュービクル式高圧受電設備」です。

キュービクルは、変圧器や遮断器、保護装置などを一体化した受電設備で、建物の敷地内に設置されます。

外部の電柱から施設に直接電気を引き込む「低圧契約」とは異なり、高圧契約では施設側が自ら受変電設備を設ける必要があるという点が大きな違いです。

その分、初期導入費用や定期的な保守・点検が必要となりますが、大きな電力を安定して使えることから、電力使用量の多い事業者にとっては合理的な選択肢になります。

また、一定の管理責任が伴うため、外部の保安協会などに設備の点検や保安管理を委託するケースも一般的です。

高圧と低圧の違い、どちらに当てはまる?早見チェックリスト

電気の契約区分には「高圧」と「低圧」があり、どちらに該当するかによって料金体系や必要な設備、管理体制が大きく変わります。

日頃は意識しづらいこの違いですが、電力使用量や建物の用途によって自社がどちらに該当するのかを知っておくことは、電気料金の最適化や契約見直しの第一歩となります。

ここでは、具体的な施設例や設備の違いに触れながら、「高圧」と「低圧」の違いを見分けるポイントをご紹介します。

①対象となる施設例から見分ける

高圧か低圧かを判断する際、まず参考になるのが「施設の種類」です。

以下は、契約区分の傾向を把握するための一例です。

契約区分主な対象施設坪数の目安従業員数の目安備考
高圧中規模以上の工場300坪~1,000坪30~100人程度生産設備・空調・動力設備が多く契約電力が50kW超えやすい
スーパー
ドラッグストア
200坪~500坪20~50人程度冷蔵・照明・空調が常時稼働し、電力使用が多い
大型飲食店
厨房の多い店舗
150坪~300坪10~30人程度電気式厨房・空調の負荷が大きく、高圧対応が多い
老人ホーム
介護施設
病院
300坪~1,000坪超30~100人以上24時間稼働、空調・給湯・医療機器などで電力負荷が高い
高校・大学
中規模ビル
500坪~2,000坪50~200人以上教室・照明・空調が広範囲で使用される
低圧コンビニエンスストア30坪~60坪5~10人程度比較的電力使用が少なく、低圧契約で運用されることが多い
小規模飲食店
商店
20坪~50坪5~10人程度照明・空調・厨房が小規模な範囲で使用
理美容室
事務所
20坪~50坪2~10人程度一般的な業務用途、使用設備も小型

この表はあくまで目安ですが、施設の大きさ(坪数)や従業員数から大まかな契約区分を推測することが可能です。

空調や厨房、冷蔵設備などで電力使用が大きい業種では、契約電力が50kWを超える可能性が高く、高圧契約となっていることが多いです。

正確な判断には、電力使用量や契約内容の確認が必要ですが、初期の目安としてご活用いただけます。

②契約電力・設備・電源の引き込み方法でも見分けられる

高圧契約か低圧契約かをより正確に判断するには、施設の契約電力の規模や受電設備の有無、電源の引き込み方法に着目するのが有効です。

まず、契約電力が50kW以上の場合は、高圧契約である可能性が高くなります。

これは、一般的に高圧契約の基準として設定されている値であり、照明・空調・機械などを多く使用する中規模以上の施設では、自然とこの規模を超えることがあります。

次に、敷地内に大きな金属製の箱型設備、いわゆるキュービクル式高圧受電設備が設置されている場合も、高圧契約であると判断できます。

この設備は、電柱から供給される高電圧(約6,600ボルト)を、施設内で使用できる100ボルトや200ボルトに変圧する役割を持っています。

高圧契約では、こうした受電設備を敷地内に設ける必要があるため、設置の有無が一つの目安になります。

一方で、建物に直接電柱から電線が引き込まれ、分電盤からブレーカーで電気を分けているだけの場合は、低圧契約である可能性が高いです。

低圧契約では、電力会社側であらかじめ電圧を変換した状態で供給されるため、施設側に大がかりな受電設備は不要です。

このように、契約電力や受電設備、電源の引き込み方法を見ることで、ある程度の判断が可能です。

特に新しく施設を取得した場合や、契約内容が曖昧なまま使われている場合は、設備の確認とあわせて請求書や契約書類をチェックし、必要であれば専門業者や電力会社に確認することをおすすめします。

③「自社が高圧かどうか分からない」方のための簡易チェック

「うちの契約が高圧なのか低圧なのか分からない」という方は、以下のチェック項目を確認してみてください。

🔲 電気料金の請求書または明細に高圧電力や動力などの記載がある

🔲 敷地内または建物の外に大きな金属製の箱(キュービクル)が設置されている

🔲 設備や機器を多く使用していて、空調・冷蔵・動力などの負荷が大きい

🔲 電気料金の基本料金が「〇〇円/kW」で計算されている(従量料金ではない)

いずれかに該当する場合は、高圧契約である可能性があります。

もし確認が難しい場合でも、過去の請求書をもとに電力会社や電気管理技術者に相談することで、正確に把握することができます。

高圧電力の料金の仕組み

高圧電力を契約している施設では、電気料金の計算方法が低圧契約とは異なり、やや複雑になります。

電気料金は主に基本料金・電力量料金、そして力率による調整の3つの要素で構成されており、それぞれが電気代に大きく関わります。

ここでは、高圧電力の料金がどのように決まるのかを順を追って説明します。

①契約電力 × 単価で決まる「基本料金」

まず、基本料金は契約している電力の大きさに応じて発生する、毎月定額で請求される料金です。

高圧契約においては、過去1年間の中で最も電力を多く使用した30分間の平均値(最大需要電力)をもとに契約電力が設定されます。

この契約電力に対して、電力会社が定めた1kWあたりの単価を掛けて算出された金額が、毎月の基本料金となります。

たとえば、契約電力が100kW、基本料金単価が1,200円/kWであれば、基本料金は100 × 1,200 = 120,000円となります。

使用量に関係なく発生するため、電気を使わない月でもこの金額は発生します。

②使用電力量 × 単価で決まる「電力量料金」

次に、電力量料金は、実際に使用した電力量(kWh)に単価を掛けて計算される料金です。

これは従量料金とも呼ばれ、月によって使用量が変動するため、季節や稼働状況によって上下する料金項目です。

単価は電力会社や契約メニューによって異なりますが、使用量に応じて一律で課金される場合と、使用量の多寡に応じて段階的に単価が変わる場合があります。

また、契約によっては昼間と夜間で単価が異なる時間帯別料金が適用されることもあります。

③力率が悪いと基本料金が割増になる可能性も

高圧契約においては、力率という指標にも注意が必要です。

力率とは、供給された電力がどれだけ効率よく使われているかを示す値で、通常は100%に近いほど良好とされます。

高圧設備では、モーターや空調設備などが多く使用されるため、力率が低下しやすい傾向があります。

多くの電力会社では、力率が85%未満になると、基本料金に対して割増料金が加算されるルールを設けています。

逆に、85%を超える力率を維持していれば、割引が適用されることもあります。

このため、力率の改善は電気代を抑えるための有効な手段となります。

具体的には、進相コンデンサという装置を使って電力のロスを抑える方法が一般的で、導入によって力率を高めることが可能です。

高圧電力の料金は、契約の仕方や運用方法によって大きく変わる可能性があります。

単に使用量を減らすだけでなく、契約電力の見直しや力率の改善、時間帯別使用の最適化など、料金構成を理解したうえでの対応が、長期的なコスト削減に効果的です。

電気料金に不安がある場合は、請求内容を確認しながら、必要に応じて契約内容の見直しを検討することをおすすめします。

高圧電力の契約を見直すべきタイミングとは?3つのチェックポイント

高圧電力を契約している企業や施設では、電気の使い方や設備の変化によって、契約内容が実情と合わなくなることがあります。

契約電力や料金が最適でない状態を放置すると、本来よりも高い電気代を支払ってしまう原因になるため、定期的な見直しが重要です。

以下では、見直しを検討すべき3つの主なタイミングをご紹介します。

①契約電力が今の使用量に合っていない

高圧契約の契約電力は、過去1年間で最も電力を使った30分間の平均値をもとに決まります。

この契約電力が、現在の使用実態よりも大きすぎると、それに応じた高い基本料金を毎月支払い続けることになります。

たとえば、一時的に負荷の大きな設備を動かしていた時期にピークが記録されたまま、今は稼働が落ち着いているという場合、契約電力が実態よりも高く設定されたままになっている可能性があります。

こうしたケースでは、契約電力を見直すことで、基本料金を抑える余地があると考えられます。

②基本料金が高すぎると感じる

電気の使用量がそれほど多くない月でも、毎月一定の高額な基本料金が発生している場合は、契約内容が実態と合っていない可能性があります。

特に以前より電気を使っていないのに、電気代があまり下がらないと感じている場合、契約電力が適正かどうかを一度確認してみることをおすすめします。

また、力率の低下によって基本料金が割増されていることもあります。

請求書に力率割増の記載がある場合は、設備の使い方や進相コンデンサの導入などによって改善できるケースもあります。

③新たに設備を入れた・設備を減らした

工場や施設内で、新たに大型機器を導入したり、逆に生産ラインを縮小したりといった変化があった場合は、電力の使用状況に大きな変化が生じている可能性があります。

特に、大型空調や動力設備の導入・撤去は、電力使用のピークに直接影響するため、契約電力や基本料金の見直しが必要になることがあります。

このような設備変更があった場合には、実際の使用データをもとに契約内容を見直すことで、より適正な料金で電力を使うことができるようになります。

見直しを行わないままにしておくと、過剰な契約や逆に不足した契約となり、コストや供給面で不利になることもあります。

高圧電力の契約は、一度結んだまま継続されることが多く、変更のタイミングを逃してしまうケースも少なくありません。

しかし、使用状況の変化に合わせて契約を見直すことで、不要なコストを削減できる可能性があります。

もし電気料金に違和感がある、設備に変化があった、使用状況に合っているか不安という場合は、請求書や使用実績を確認し、必要に応じて専門業者や電力会社に相談してみるとよいでしょう。

知らないと損する高圧電力の見直しで、賢くコスト削減を

高圧電力の契約は、一度締結するとそのまま見直されないまま継続されているケースも多くあります。

しかし、実際の使用状況に合っていない契約を続けていると、知らず知らずのうちに無駄な電気料金を支払っている可能性もあります。

契約電力や力率、設備の増減といった要素は、電気代に大きく影響します。

これらを適切に管理・見直すことで、毎月の固定費を抑えることができ、経営面での安定にもつながります。

岡山電力では、こうした高圧電力の契約見直しや料金シミュレーションのご相談を無料で承っています。

見積・相談は無料で、沖縄県および一部離島を除き全国対応が可能です。

請求書のご用意があれば、具体的な比較やコスト削減の可能性も丁寧にご案内いたします。

「今の契約が妥当かわからない」「電気代が高いと感じている」という方は、ぜひ一度、岡山電力にご相談ください。

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