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電力デマンド管理で企業のエネルギーコストを削減する方法

公開日:
2025.04.22

近年、電気料金の上昇やエネルギー使用量の増加に伴い、企業の経営における電力コストの見直しが重要なテーマとなっています。

その中でも注目されているのが、「デマンド管理」という取り組みです。

デマンド管理とは、電力の使用状況をリアルタイムで把握し、ピーク時の使用量を抑えることで、契約電力の最適化と電気料金の削減を目指す方法です。

特に高圧・特別高圧契約を結んでいる工場や事業所では、契約電力の設定が基本料金に直結するため、デマンドの抑制はコスト管理に大きな影響を与えます。

ここでは、デマンド管理の基本的な仕組みと、企業が実践できる具体的な対策についてわかりやすく解説していきます。

エネルギーコストの削減や、無理のない省エネ運用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

電力デマンドとは?基本料金を左右する重要指標

企業や工場などで電力を契約する際、デマンドという言葉を耳にすることがあります。

これは、毎月の電気料金の中でも特に大きな割合を占める基本料金に深く関係する重要な指標です。

デマンドの仕組みを理解し、適切に管理することで、電気料金の最適化につながります。

ここでは、デマンドの基本から、料金への影響、そして改善につながる管理方法について、3つの視点から解説します。

①デマンド値(30分デマンド)の仕組みと計算方法

デマンド値とは、一定時間内に使用した電力量を平均化し、施設がどれくらいの電力を必要としているかを示す指標です。

特に高圧・特別高圧契約では、30分デマンドが使用されるのが一般的です。

これは、30分間の平均使用電力(kW)を単位として、電力会社が記録し、その月や年間を通じての最大値を契約電力として設定するものです。

たとえば、ある30分間で60kWhの電力を使用していれば、

デマンド値は60kWh ÷ 0.5時間 = 120kWとなります。

このデマンド値の記録は30分単位で連続して行われ、年間で最も高かった値(最大デマンド値)が契約電力の基準となるため、瞬間的な使用ピークでも料金に影響を及ぼすことがあります。

②最大デマンド値が基本料金に与える影響

高圧・特別高圧契約における基本料金は、契約電力に単価をかけて計算されます。

この契約電力は、前述のとおり過去1年間で記録された最大デマンド値に基づいて設定されるのが一般的です。

そのため、1年のうちのどこかで一時的に電力使用が集中し、デマンド値が大きくなってしまうと、それ以降12か月間はその高い契約電力に基づいた基本料金が請求され続けることになります。

結果として、本来必要のない容量に対して料金を支払い続けることになり、コストが増える原因となるのです。

こうした状況を避けるためには、日常的な運用で電力のピークを抑えること=デマンド管理が重要となります。

③電力の「見える化」で実現するコスト削減

デマンドを効果的に管理するには、まず現在どれだけ電力を使っているのかを把握することが不可欠です。

そこで有効なのが、電力の見える化(エネルギーマネジメントシステム)です。

見える化を行うことで、リアルタイムの電力使用量やデマンド値、時間帯ごとの使用傾向を把握することができ、どの時間帯にピークが発生しているか、どの設備が大きな負荷となっているかを明確にできます。

このデータをもとに、空調機器の起動時間をずらしたり、大型設備の運転を分散させたりといったピークカットやピークシフトの取り組みが可能になります。

さらに、過去のデマンド履歴を分析することで、契約電力の見直しにもつなげることができます。

使用実態に合わせて契約電力を適正化できれば、基本料金を抑えることも可能になります。

電力デマンドは、日常的にはあまり意識されないものの、電気料金の中でも大きな割合を占める基本料金に直結する要素です。

見える化によって自社の使用状況を把握し、必要に応じたデマンド管理を行うことで、無理のないコスト削減を実現することができます。

電力デマンド対策の基本と実践法

電気料金の基本料金は、最大デマンド値(最大需要電力)によって決まるため、日々の運用の中でこのピーク値をどう管理するかがコスト削減のカギとなります。

ここでは、デマンド対策の基本的な考え方と、実際に行える取り組みを3つの視点から紹介します。

①ピークカットとピークシフトの違いと効果

デマンド対策の中心となる考え方が、「ピークカット」と「ピークシフト」です。

どちらも電力使用のピークを抑える方法ですが、目的やアプローチが異なります。

ピークカットは、その名の通り使用電力の最大値そのものを削減する取り組みです。

たとえば、空調や大型モーターなどの電力消費が大きい機器の一時的な停止や出力制御を行い、瞬間的に電力使用量を下げることで、デマンド値の上昇を防ぎます。

この方法は、比較的すぐに効果が表れやすく、基本料金の引き下げに直結します。

一方のピークシフトは、電力の使用時間をずらす方法です。

具体的には、複数の機器の稼働時間を重ならないように調整したり、夜間や早朝などの使用量が少ない時間帯に移動させることで、一時的な電力集中を避け、ピークを平準化することが目的です。

生産スケジュールに柔軟性がある業種では、ピークシフトの効果が高くなります。

これらの手法を組み合わせることで、最大デマンド値を効率よく抑え、電気料金の基本料金を低減することができます。

②デマンド監視システムの導入と活用方法

デマンド対策を効果的に行うためには、まず現在の電力使用状況を正確に把握することが重要です。

そのために有効なのが、デマンド監視システムの導入です。

このシステムでは、リアルタイムで施設全体の電力使用量をモニタリングし、30分単位のデマンド値を自動で計測・記録します。

一定のしきい値に近づいた場合にアラートを出す機能があるものも多く、デマンド超過を事前に防ぐことが可能です。

また、履歴データを分析することで、使用が集中しやすい時間帯や、ピークの原因となっている機器を特定することができます。

こうした情報は、運用の見直しや設備の稼働スケジュールを最適化する際に役立ちます。

導入コストはかかりますが、継続的な使用により、契約電力の最適化と運用の効率化が進み、中長期的なコスト削減につながる投資といえます。

③効果的な電力機器の制御と運用ポイント

デマンドを抑えるには、電力機器の使い方を見直すことが重要です。

特に、空調設備やコンプレッサー、ヒーター、モーターなど、消費電力が大きい設備は、稼働のタイミングや出力を調整することで、デマンド値の上昇を抑えることができます。

たとえば、複数の機器を同時に起動すると一時的に電力の使用が集中し、デマンド値が跳ね上がってしまうため、それぞれの稼働時間をずらしてピークの重なりを避ける工夫が有効です。

また、機器の出力を一度に最大にするのではなく、段階的に立ち上げていくことで、急激な電力上昇を抑え、より安定した運用につながります。

さらに、事前に使用電力量の上限を設定し、一定の値を超えそうなときには一部の機器を自動的に停止させる仕組みを導入することで、ピークの発生を未然に防ぐこともできます。

これらの制御は、人が都度判断して操作するのではなく、監視システムやタイマーなどと連携して自動的に運用することが望ましく、継続的で安定したデマンド管理に役立ちます。

太陽光発電と新電力によるデマンド対策を解説

電気料金の基本料金に大きな影響を与えるデマンド値を抑えるには、日常の運用改善に加えて、エネルギー設備の導入も効果的です。

特に、自家消費型の太陽光発電や蓄電池、さらに新電力(電力会社の切り替え)を活用することで、効率よく電力使用のピークを抑え、電気料金の最適化を図ることができます。

ここでは、太陽光や新電力を活用したデマンド対策の具体的な考え方をご紹介します。

①自家消費型太陽光発電でデマンド値を削減する仕組み

自家消費型の太陽光発電を導入することで、昼間の電力使用量の一部を自社で発電した電力でまかなうことができるようになります。

これにより、電力会社からの購入量が減り、特に日中の電力使用が多い業種では、デマンド値の上昇を抑える効果が期待できます。

たとえば、夏場の昼間に空調設備が多く稼働する場合でも、太陽光発電によってその分の電力を補えるため、電力のピーク値を抑えることが可能です。

このように、自家消費型太陽光発電は、電気料金削減と同時にデマンド管理にも役立つ設備として注目されています。

②蓄電池との組み合わせでピークシフトを実現

太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、デマンド対策の効果をさらに高めることができます。

太陽光発電は発電量が天候に左右されるため、必ずしもピーク時に十分な電力を供給できるとは限りません。

そこで、昼間に余った電力を蓄電池にため、ピーク時間帯にその電力を放電することで、使用電力を分散させることができます。

これにより、電力の集中を避けるピークシフトが実現でき、最大デマンド値の抑制と基本料金の低減につながります。

特に、午後や夕方に使用量が高まる業種では、蓄電池の導入が大きな効果を発揮します。

③新電力活用で電気料金を最適化する方法

契約している電力会社の見直しも、デマンド対策と並行して検討すべき重要なポイントです。

電力自由化以降、様々な新電力会社が登場しており、自社の使用状況に合った料金メニューを選ぶことで、基本料金や単価を見直し、全体のコストを抑えることが可能になります。

また、市場連動型の料金プランを採用している新電力であれば、電力市場価格の安い時間帯に電気を使うよう調整することで、コスト削減が期待できます。

これは、ピーク時間帯の使用を抑えるピークシフトとも相性が良く、契約内容と運用を組み合わせた最適化がしやすくなるのがメリットです。

太陽光発電や蓄電池、新電力の活用は、単なるコスト削減にとどまらず、電力使用の最適化と安定的な運用につながる手段です。

導入前には、使用状況のデータをもとにシミュレーションを行い、自社に合った対策を検討することが大切です。

導入事例と削減実績を紹介

デマンド管理や自家消費型の太陽光発電、蓄電池、新電力の導入によって、実際にどのような効果が得られるのかを把握することは、導入を検討する際の重要な判断材料になります。

ここでは、業種別の導入ポイントや削減実績、導入によって得られる主なメリット、さらに無料診断から導入までの流れについて詳しくご紹介します。

①【導入事例】業種別の成功ポイントと削減実績

たとえば、食品製造業では、24時間稼働の冷蔵・冷凍設備が大きな電力負荷となっており、ピーク時間帯を中心としたデマンド抑制策が大きな効果を上げています。

このケースでは、太陽光発電とデマンド監視システムの併用によって、月間5万円以上の基本料金削減につながりました。

また、金属加工業では、大型工作機械の同時稼働による一時的なデマンド上昇が課題となっていました。

そこで、機器の稼働タイミングを制御することでピークの重なりを回避し、年間で約15%の電気料金削減を実現しました。

介護施設では、空調や給湯設備の使用量が多いことから、蓄電池を活用したピークシフトを行うことで、契約電力の見直しと基本料金の削減に成功しています。

このように、業種や設備構成に応じた対策を講じることで、無理のない範囲で電気料金を抑えることが可能です。

②電力デマンド管理で実現する3つのメリット

電力の見える化やピークカット・ピークシフトといったデマンド管理に取り組むことで、以下のような効果が得られます。

1つ目は、基本料金の削減です。

デマンド値を適正化することで、契約電力を見直すきっかけとなり、月々の固定費負担を軽減できます。

2つ目は、設備の運用改善です。

使用状況をデータで可視化することにより、効率の悪い運用や無駄な稼働が明らかになり、生産性や運用効率の向上にもつながります。

3つ目は、長期的な電力コストの安定化です。

省エネ設備や自家発電システムとの組み合わせにより、外部環境(燃料費高騰・電力単価の上昇)の影響を受けにくくなります。

これらのメリットは、業務への支障を最小限に抑えつつ、コストの見直しができるという点で、多くの企業にとって有効な対策となっています。

③無料診断の案内と導入ステップ

岡山電力では、現在の電力契約や使用状況に対して、無料で電力コストの診断を実施しています。

請求書や使用実績データをご用意いただければ、現状の課題を分析し、削減の余地や適した対策をご提案することが可能です。

診断後の導入ステップは以下の通りです。

まず、初回のご相談とヒアリングで、施設や運用状況の概要を把握します。

その後、必要な資料をもとにコスト試算や導入プランをご提案し、ご納得いただいた上で正式なお見積りと導入計画を作成します。

導入後も、システムや設備の運用サポート、定期的な効果確認を行い、継続的に電力コストの最適化を支援いたします。

電力デマンド対策は、一度きりの取り組みではなく、設備の更新や使用状況の変化に応じて見直していくことで、より大きな効果を発揮します。

ご相談は岡山電力まで

電力のデマンド管理は、企業が継続的にエネルギーコストを抑えるための重要な取り組みです。

基本料金の適正化や電力使用の最適化を進めることで、無理のないコスト削減が可能になります。

太陽光発電や蓄電池、新電力の活用も含めて、設備と運用の両面から検討することで、より大きな効果が期待できます。

岡山電力では、電力使用状況の確認や契約内容の見直し、デマンド管理システムの導入などに関するご相談を承っております。

見積・ご相談は無料で、沖縄県および一部離島を除く全国エリアに対応しています。

現在の契約内容が本当に自社に合っているのか不安な場合や、電気料金が高くなっている原因を知りたいと感じている場合など、どのような内容でも構いません。

まずは岡山電力までお気軽にご相談ください。

専任のスタッフが状況を丁寧に確認し、企業ごとの使用状況に合った改善案をご提案いたします。

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