太陽光パネルを導入する上で懸念となるのが、そのメンテナンス費用や維持費。
本記事ではメンテナンス費用について深堀りし、費用を抑える方法まで解説していきます。
太陽光パネルのメンテナンス費用はいくら?
太陽光パネルは、自然エネルギーを利用して電気を発生する環境に優しい装置ですが、その性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスを怠ると、パネルの劣化や故障のリスクが高まり、発電量が低下したり火災や感電などの事故が発生したりする可能性があります。
では、太陽光パネルのメンテナンス費用はいくらかかるのでしょうか?
ここでは、太陽光パネルのメンテナンスが必要な理由と、1回のメンテナンス費用の内訳について解説します。
太陽光パネルのメンテナンスが必要な理由
太陽光パネルは、屋外に設置されているため、日々さまざまな環境要因にさらされています。
例えば、雨や風、雪や霜、埃や花粉、鳥糞や落ち葉などがパネルに付着すると、光を遮って発電効率が低下します。
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また、長期間にわたって紫外線や温度変化に晒されると、パネルのガラスやフレームが劣化したり、接合部分が剥がれたりすることもあります。
さらに、架台や配線、インバーターなどの周辺機器も経年劣化や不具合によって損傷する可能性があります。
これらの問題を未然に防ぐためには、定期的に専門業者による点検や清掃を行う必要があります。
1回の太陽光パネルのメンテナンス費用の内訳は?
太陽光パネルのメンテナンス費用は設置規模や業者によって異なりますが、一般的には以下のような内訳になります。1回の太陽光パネルのメンテナンス費用は、パネルの洗浄・架台の点検・配線の点検・インバーターの点検・その他(修理・交換費用など)の5つの項目から成り立ちます。
・パネルの洗浄…1kWあたり約3,000円~5,000円
・架台の点検…1kWあたり約1,000円~2,000円
・配線の点検…1kWあたり約1,000円~2,000円
・インバーターの点検…1kWあたり約1,000円~2,000円
・その他(修理・交換費用など)…1kWあたり約5,000円~10,000円
太陽光パネルは、定期的にメンテナンスを行うことで、発電効率を高めるとともに故障や事故のリスクを低減することができます。
メンテナンスの項目と費用の詳細については、以下でひとつずつ説明します。
上記の5項目の費用を合計すると、1kWあたり12,000円~22,000円程度となります。ただし、これらはあくまで目安であり、実際の費用は個別に見積もりを取る必要があります。
パネルの洗浄
パネルの洗浄は、パネル表面に付着した汚れを除去して発電効率を回復させる作業です。太陽光パネルは、雨や風によって汚れが落ちると思われがちですが、実際には埃や花粉、鳥糞などが付着して発電効率を低下させます。
特に乾燥した地域や山間部では、汚れが目立ちやすいため、定期的な洗浄が必要です。
洗浄の方法は基本的には水で洗浄することができますが、汚れの種類や量によっては、中性洗剤を使って柔らかい布やスポンジで拭いたり、専用のブラシやホースで掃除したりする場合があります。
さらに、屋根に設置されたパネルは高所作業となるため、安全対策も必要です。
パネルの洗浄費用は、設置面積や汚れ具合に応じて変わりますが、一般的には1kWあたり3000円から5000円程度です。清掃回数は、数年に1回が目安です。
架台の点検
架台の点検は、パネルを支える金属製の架台の状態を確認する作業です。
架台は、風雨や雪などの自然災害に耐えるために強度が高く設計されていますが、長期間使用すると錆びたり緩んだりする可能性があります。
特に、台風や地震などの自然災害によって架台が歪んだり傾いたりすると、パネルの発電量や安全性に影響が出ることがあります。
そのため、架台の点検を行うことで、パネルの脱落や傾きなどのトラブルを防ぐことができます。
点検の方法は、目視で架台の状態を確認するか専用の計測器で架台の角度や強度を測定するかです。
点検の頻度は、一般的には年に1回程度が目安です。点検の費用は、架台の種類や数などによって変わりますが、平均的には1kWあたり1000円~2000円程度です。
配線の点検
配線の点検は、パネルとインバーターをつなぐ電線の状態を確認する作業です。
太陽光パネルから発電された電力は、配線を通してインバーターに送られます。
配線は絶縁性や耐久性が高いものが使用されていますが、長期間使用すると絶縁不良や断線などによって発電量が低下したり、火災や感電の原因となったりする可能性があります。
特に、屋外に露出している配線は、動物のかじり跡や切れ目などに注意する必要があります。
そのため、配線の点検を行い発電量の低下や火災などのリスクをできるだけ低くしましょう。
点検の方法は、目視で配線の状態を確認するか、専用の計測器で配線の電圧や電流を測定するかです。
点検の頻度は、一般的には年に1回程度が目安です。点検の費用は、配線の長さや数などによって変わりますが、平均的には1kWあたり1000円~2000円程度です。
インバーターの点検
インバーターは、太陽光パネルから送られた直流電力を交流電力に変換する装置です。
インバーターは、発電量や電力品質を管理する重要な役割を果たしていますが、太陽光発電システムの中で最も故障しやすい部分であり、故障すると発電量がゼロになることもあります。
そのため、インバーターの点検を行うことで、発電効率の低下や停電などのトラブルを防ぐことができます。
点検の方法は、目視でインバーターの状態を確認するか、専用の計測器でインバーターの出力や効率を測定するかです。
点検の頻度は、一般的には年に1回程度が目安です。点検の費用は、インバーターの容量や数などによって変わりますが、平均的には1kWあたり2000円~3000円程度です。
その他(修理・交換費用など)
上記の点検で問題が見つかった場合は、修理や交換を行う必要があります。
例えば、パネルが割れたり欠けたりした場合や、インバーターが故障した場合などです。修理や交換費用は、部品の種類や故障の程度、故障箇所によって大きく変わりますが、一般的には5000円~10000円程度です。
保証期間内であれば、無償で修理や交換が行われる場合もあります。
太陽光パネルのメンテナンスの頻度は?
太陽光パネルのメンテナンスの頻度は、パネルの種類や設置場所、気象条件などによって異なります。一般的には、年に1回程度の点検と清掃が推奨されています。
点検では、パネルの劣化や損傷、配線の状態などを確認し、必要に応じて修理や交換を行います。
清掃では、パネル表面に付着したほこりや汚れ、落ち葉や鳥の糞などを除去することで、発電効率が向上します。
太陽光パネルのメンテナンス費用を抑える方法3つ
太陽光パネルは長期間にわたって使用すると、劣化や故障のリスクが高まります。
そのため、太陽光パネルのメンテナンス費用は、発電システムの運用コストに大きく影響します。
そこで、ここからは太陽光パネルのメンテナンス費用を抑える方法について解説していきます。
太陽光パネルのメンテナンス費用を抑える方法は、大きく分けて以下の3つです。
①定期的な点検を行い異常があれば早めに修理や交換を行う
②メンテナンス会社を比較して、費用が安い会社を選ぶ
③保険に加入する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
定期的な点検を行い異常があれば早めに修理や交換を行う
太陽光パネルは、日々の気象条件や汚れなどによって性能が低下したり、破損したりする可能性があります。
そのため、定期的に点検を行い異常があれば早めに修理や交換を行うことが重要です。
点検は、一般的に年に1回程度行うのが良いとされていますが、設置場所や環境によってはもっと頻繁に必要な場合もあります。
点検では、太陽光パネルの発電量や電圧、温度などを測定し、汚れや傷などの外観上の問題もチェックします。
点検結果によっては、清掃や部品の交換などの対策が必要になる場合もあります。
定期的な点検を行うことで、太陽光パネルの性能を維持し発電量の低下や故障を防ぐことができます。
また、早めに修理や交換を行うことで、より深刻なトラブルや高額な費用を回避することもできます。
メンテナンス会社を比較して、費用が安い会社を選ぶ
太陽光パネルのメンテナンス費用は、メンテナンス会社によって異なります。
そのため、メンテナンス会社を比較して、費用が安い会社を選ぶことも一つの方法です。メンテナンス会社を比較する際には、以下の点に注意しましょう。
①メンテナンス内容やサービス内容を確認する
②メンテナンス費用以外にかかる費用がないか確認する
③メンテナンス会社の評判や実績を調べる
メンテナンス内容やサービス内容は、メンテナンス会社によって異なります。
例えば、点検の頻度や範囲、清掃や修理の方法、緊急時の対応などが異なる場合があります。また、メンテナンス費用以外にも、出張費や部品代などの費用がかかる場合もあります。
そのため、メンテナンス内容やサービス内容を確認し、メンテナンス費用だけでなく総合的なコストパフォーマンスを比較することが必要です。
保険に加入する
太陽光パネルは、自然災害や落雷などによって大きな損害を受ける可能性があります。その場合、太陽光パネルの修理や交換には高額な費用がかかります。
このような万が一の場合に備えて、保険に加入することも一つの方法です。保険に加入することで、太陽光パネルに発生した損害に対して補償を受けることができます。
定期的なメンテナンスを実施し適切に運用しよう
太陽光パネルを長期間にわたって効率的に運用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。
太陽光パネルのメンテナンスは、年に1回程度を目安に行うことが推奨されているので、必ず行うようにしましょう。
メンテナンスを怠ると、パネルの寿命が短くなったり、発電量が低下したりする可能性があります。定期的なメンテナンスを実施し適切に運用することで、長期間にわたって効率的に安定したエネルギーを得ることができるでしょう。