電気料金の値上げが続くなか、太陽光発電の重要性が改めて注目されています。
かつては、売電収入を目的とした導入が一般的でしたが、2025年以降は、発電した電気を自宅で使いたいという人が増えています。
売電価格は低下し続けているのに、電気料金は上昇をし続けているため、「買う電気を減らす」ことで家計の負担を大きく軽減することが可能です。
この記事では、2025年の売電価格の動向、太陽光発電を導入するメリットやリスク、補助金の活用方法まで詳しく解説します。
電気代を抑え、賢くエネルギーを活用するための最適な方法を、一緒に考えていきましょう。
【2025年】太陽光発電の売電価格
太陽光発電の売電価格は、FIT(固定価格買取制度)の導入以降、年々変化しており、2025年も変動することが予測されています。
特に、過去の高い売電価格と比較すると、大幅な落下が続いており、売電収入のみを目的とした導入は、以前ほどのメリットがないのが現状です。
しかし、最近の電気料金の値上げ傾向を受けて、自家消費を前提とした太陽光発電の導入が、経済的に有利な選択肢になりつつあります。
ここでは、売電価格の動向とその影響について詳しく解説します。
家庭用太陽光発電の売電価格推移
FIT制度が導入された当初(2009年)は、売電価格が1kWhあたり40円以上と、とても高い水準でした。
しかし、FIT制度の目的である「再生可能エネルギーの普及」が進んだ結果、年々売電価格は厳しく、2025年には15円/kWhになる程度と予測されています。
過去10年間の売電価格の推移は、以下のようになっています。
年度 売電価格 (10kW未満) 2015年 33円/kWh 2016年 31円/kWh 2017年 28円/kWh 2018年 26円/kWh 2019年 24円/kWh 2020年 21円/kWh 2021年 19円/kWh 2022年 17円/kWh 2023年 16円/kWh 2024年 15円/kWh(予想) 2025年 15円/kWh(予想)
このように、売電価格は、年々下落しています。
しかし、太陽光発電システムの設置コストは、大幅に下がっており、売電価格が下がったこと自体はかなり慎重ではないという見方もできます。
売電収入の現状
売電収入の現状として、最新のFIT価格では「売電で利益を得る」よりも「電気代を節約する」という考え方が増えるようになりました。
2025年の売電価格が15円/kWhであるのに対し、一般的な家庭で購入する電気料金は35円〜40円/kWhです。
発電した電気を売るよりも、自宅で消費した方が経済的に有利ということになります。
例えば、1年間で4,000kWhの電気を発電し、そのうち50%を自家消費、残り50%を売電した場合の収支をシミュレーションすると、以下のようになります。
項目 自家消費 (50%) 売電(50%) 発電量 2,000kWh 2,000kWh 節約額 (35円/kWh) 70,000円 – 売電収入(15円/kWh) – 30,000円 合計メリット 100,000円
この結果から、売電よりも自家消費を優先したほうが、経済的なメリットが大きいことがわかります。
太陽光発電を導入するメリットと注意点
2025年、太陽光発電の設置費用はさらに下がり、電気料金の値上げが進むなかで、太陽光発電を導入するメリットが再注目されています。
しかし、設置の仕方などを誤ってしまうと太陽光発電の効果が得られず、損失をしてしまうケースもあります。
ここでは、太陽光発電を導入するメリットと注意点について詳しく解説します。
【メリット】初期費用の大幅低下
かつて、太陽光発電システムの導入には、200万円以上の費用がかかるのが一般的でした。
しかし、技術の進化や市場の競争により、4kWのシステムで60万円〜100万円程度まで価格が抑えられるようになりました。
導入コストの推移は、下記の通りです。
年度 | 1kWの値段 | 4kWシステムの価格一律 |
2010年 | 46万円 | 約184万円 |
2015年 | 35万円 | 約140万円 |
2020年 | 25万円 | 約100万円 |
2025年(予測) | 15万円 | 約60万円 |
このように、2025年には2010年と比較して、導入コストが半額以下になっていることがわかります。
初期投資の回収期間も短縮され、太陽光発電の普及が進みやすくなっていると言えるでしょう。
さらに、蓄電池の価格も徐々に下がっており、今後は「太陽光発電+蓄電池」のセット導入が主流になると予測されます。
【注意点】設置条件や環境による損失リスク
太陽光発電は環境に優しく、電気代の削減にも効果的ですが、設置する環境によっては十分な量の発電が得られず、損をしてしまう場合もあります。
そのため、導入前に、適した条件を満たしていることを確認することが重要です。
まず、日当たりの悪い場所は大幅に発電量が下がるため、日当たりの悪い場所に設置しないようにしましょう。
周囲に高い建物や木があると影ができ、十分な日照が得られない場合があります。
太陽光の向きもにも注意が必要です。
最も発電効率が高いのは南向きで、東西方向は約80〜90%の発電量になります。
北向きの場合は50%以下に低下する可能性があるため注意が必要です。
太陽光発電を利用して電気料金の値上げに備える
2025年、電気料金の値上げが続いており、家庭の光熱費負担が増加しています。
この背景には、燃料費の増加や再生可能エネルギー普及のための制度変更などが影響しています。
この状況に関して、太陽光発電を活用することで、電気料金の値上げリスクを軽減し、長期的に経済的なメリットを受けることが可能です。
ここでは、各電力会社の値上げ状況と、太陽光発電を利用した電気代の削減方法について詳しく解説します。
各電力会社の値上げ状況
2024年から2025年にかけて、日本の大手電力会社は、電気料金の値上げを発表しています。
理由として、化石燃料価格の上昇、円安の影響、脱炭素化政策の進行、そして再エネ賦課金の増加が挙げられます。
以下は、2024年5月以降の各電力会社の値上げ状況をまとめたものです。
電力会社 2024年5月からの値上げ額(一般家庭向け) 北海道電力 +441円 東北電力 +543円 国際 -561円(逆に値下げ) 中部電力 +579円 北陸電力 +457円 関西電力 +543円 中国電力 +514円 四国電力 +511円 九州電力 +520円 沖縄電力 +499円
(※出典:NHK「5月の電気とガス料金大手当面すべて値上げへ」)
このように、ほとんどの電力会社が値上げを実施しており、今後も値上げが継続する可能性があります。
特に、日本の電力価格は、世界的に見ても比較的安価なので、政府が市場原理に合わせて料金改定を進めることで、将来的にはより高額になることも予測されています。
また、電気料金には「再エネ賦課金」という再生可能エネルギーの普及を支援するための費用が含まれています。
この再エネ賦課金は年々上昇しており、2030年までにはさらに増加すると見込まれています。
2024年の再エネ賦課金は3.49円/kWhですが、2030年は6〜8円/kWhまで上昇すると予測されています。
太陽光発電で電気代を抑える方法
電気料金の値上げに対抗するための最も効果的な方法が、太陽光発電を導入し、自家消費を増やすことです。
最近の電気料金の上昇幅を考えると、電力会社から電気を買わない仕組みを作ることが、家計の負担を軽減します。
①太陽光発電の自家消費で節約
現在の電気料金が約37円/kWh(東京電力の場合)であるのに対し、2025年の売電価格は15円/kWhと予測されています。
このため、発電した電気を売るよりも、自宅で消費したほうが約2.5倍お得になる計算です。
例えば、年間4,000kWhの発電をする太陽光パネルを設置した場合、その半分を自家消費し、残りを売電すると以下のような経済効果が得られます。
項目 自家消費 (50%) 売電(50%) 発電量 2,000kWh 2,000kWh 節約額 (37円/kWh) 74,000円 – 売電収入(15円/kWh) – 30,000円 合計メリット 104,000円
このように、発電した電気を自宅で使うことで、売電するよりも多くの経済メリットが得られます。
② 蓄電池を活用して節約
太陽光発電は、夜間に発電しているため、その時間帯に電気を使わなければ売電するしかありません。
これにより、より多くの電力を自家消費し、電気代の削減効果を高めることができます。
さらに、蓄電池を活用することで一時的なバックアップ電源としても利用できるため、災害対策としてのメリットも大きいです。
③電力会社の「時間帯別プラン」を活用
一部の電力会社では、夜間の電気料金が安くなるプランを提供しています。
例えば、夜間の電気料金が1kWhあたり20円程度になるプランがあり、これを利用すれば、夜間に太陽光発電蓄電し、夜間に安い電気を活用することで、さらに節約が可能です。
太陽光発電と蓄電池をセットで購入する2つの効果
太陽光発電を導入するとき、蓄電池をセットで設置する家庭が増えています。
その理由は、売電価格の低下と電気料金の上昇による「自家消費の最大化」にあります。
余った電気を蓄えて有効活用することで、より経済的なメリットを得ることが可能です。
本章では、太陽光と蓄電池を手に入れることで得られる2つの大きな効果について解説します。
効果①電気代ゼロになる可能性がある
現在、日本の家庭用電気料金は1kWhあたり約37円(東京電力の場合)ですが、2025年の売電価格は15円/kWhと予測されています。
夜間には太陽光発電の発電がないため、電気を購入しなければいけません。
しかし、蓄電池を保有していれば、日中に発電した電気を蓄電池に蓄えておくことにより、夜間にその電力を使えるようになり、電気代を大幅に削減できます。
蓄電池を導入した場合のシミュレーションをしてみましょう。
例えば、年間4,000kWhの発電をする太陽光発電システムを設置した場合、蓄電池なしでは約50%(2,000kWh)を売電することはできません。
夜間の電力を賄うことができ、電気料金のほぼゼロ化が実現可能になります。
項目 蓄電池なし(売電あり) 蓄電池あり(自家消費) 発電量 4,000kWh 4,000kWh 自家消費量 2,000kWh 3,800kWh 売電量 2,000kWh 200kWh 電気代削減額(37円/kWh) 74,000円 140,600円 売電収入(15円/kWh) 30,000円 3,000円 年間のメリット合計 104,000円 143,600円
このように、蓄電池を導入することで、自家消費率が上昇し、年間約40,000円の追加効果が得られるケースがあります。
特に、電気代が年々上昇している現状では、「電力会社」から電気を買わない=電気代ゼロを目指す」ことが最も効果的な節約方法となります。
効果②災害時にもエネルギーを自給自足
日本は、地震や台風などの自然災害が多く、停電のリスクがとてもあります。
これにより、冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電など、通常の生活を維持できるため、災害時の備えとしても有効です。
また、自治体によっては防災対策として蓄電池への補助金を提供している場合があり、コスト負担を抑えながら災害時の電力確保が可能になります。
まとめ
2025年の太陽光発電は、売電収入を目的とするよりも、自家消費による電気代削減が最大のメリットとなります。
電気料金が上昇し続けるなか、発電した電気を自宅で活用することで、家計の負担を大幅に軽減できるのが特徴です。
設置費用も以前より下がり、補助金を活用すればさらにコストを抑えられます。
また、蓄電池を併用すれば、発電した電気を夜間や夜間も使用でき、電気代ゼロに抑えることが可能です。
今後の電気料金の上昇を見据えて、太陽光発電は、節約とエネルギーの安定供給の両面で、大きなメリットをもたらす選択肢となります。