2025年度のFIT(固定価格買取制度)価格は、ついに15円/kWhまで下落しました。
これまでの傾向を考えると、今後も売電価格が下がり続ける可能性が高く、「太陽光発電はもう儲からないのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、FIT価格の低下は、必ずしも太陽光発電の価値の低下を意味するわけではありません。
電気料金の高騰が続くなか、自家消費のメリットがこれまで以上に大きくなっており、賢く活用すれば十分な経済的メリットを得ることが可能です。
この記事では、2025年度のFIT価格の動向や、価格低下の理由を詳しく解説するとともに、FIT終了後も継続的にメリットを得るための具体的な活用法を紹介します。
また、太陽光発電を導入するときの注意点や補助金・法改正の最新情報についても解説し、今後の太陽光発電の最適な運用方法を提案します。
FIT価格が下がる今だからこそ、最も効果的な活用法を知り、賢く電気代を節約する方法を一緒に考えていきましょう。
2025年度のFITの動向と価格について
ここでは、2025年度のFIT制度の動向や価格について解説していきます。
それぞれ、確認していきましょう。
FIT制度(固定価格買取制度)とは? 基本をおさらい
FIT(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーで発電した電力を、一定期間・固定価格で電力会社に買い取ってもらえる制度です。
日本では2012年に導入され、主に太陽光発電・風力発電・バイオマス発電などが対象となっています。
特に住宅用太陽光発電(10kW未満)の場合、設置後10年間は決められた買取価格で売電できるため、安定した収益が見込める制度となっています。
しかし、FIT価格は年々下落しており、2025年度もさらなる減少が予想されています。
2025年度のFIT価格は?2024年との比較
2025年度の住宅用太陽光発電(10kW未満)のFIT価格は、2024年度と比較してさらに1円/kWh下がり、15円/kWh となりました。
過去5年間の推移を見ると、以下のように減少傾向が続いています。
年度 FIT価格(10kW未満) 2021年度 19円/kWh 2022年度 17円/kWh 2023年度 16円/kWh 2024年度 16円/kWh 2025年度 15円/kWh
このように、住宅用太陽光発電の売電価格は毎年下がっており、FIT制度のメリットは、年々減少しています。
一方で、2025年以降も電力市場の価格高騰が続けば、FIT価格の下落幅が緩やかになる可能性もあります。
2025年度のFIT価格が安くなっている2つの理由とは?
FIT価格が年々安くなっているのは、いったいなぜなのでしょうか?
それぞれの理由について、解説していきます。
理由①再エネ賦課金の高騰しているから
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーの普及を支えるために、電気料金に上乗せされる費用のことです。
この賦課金の増加により、FIT制度のコストを抑えるために売電価格が引き下げられています。
実際に、近年の再エネ賦課金の推移を見てみると、年々上昇しています。
年度 再エネ賦課金(円/kWh) 2021年度 3.36円 2022年度 3.45円 2023年度 3.49円 2024年度 3.54円 2025年度(予想) 約3.60円
賦課金が高くなると、電気代の負担が増えるため、FIT価格を引き下げることで、全体のバランスを取る動きが加速しています。
理由②設備価格や設置価格が安くなったから
太陽光発電システムの価格は、年々下落しています。
技術の進歩や製造コストの削減により、パネルやパワーコンディショナーなどの機器が安くなったため、設置コストも低下しています。
例えば、過去10年間で太陽光発電の1kWあたりの設置コストは約40%も安くなっています。
年度 太陽光発電の設置費用(10kW未満・1kWあたり) 2015年度 約35万円 2020年度 約25万円 2025年度(予測) 約20万円
設備費用の低下により、FIT売電の必要性が低くなり、価格が引き下げられているのが現状です。
【2025年度】FIT終了後も継続的にメリットを得るための活用法
ここでは、FIT終了後でも継続的にメリットを得るための活用方法について解説していきます。
それぞれ、確認していきましょう。
①蓄電池や電力自由化を利用する
FIT終了後も太陽光発電のメリットを得るためには、 蓄電池の導入が有効です。
昼間に発電した電気を蓄電池に貯め、夜間に使用することで電力の自家消費を最大化できます。
また、電力自由化により、FIT終了後の余剰電力を電力会社に売る「卒FITプラン」も増えています。
例えば、特定の電力会社と契約すれば市場価格での売電が可能になり、FIT売電よりも高い価格で売れるケースもあります。
②初期費用0円の太陽光発電サービスを利用する
近年、「 初期費用0円の太陽光発電 」というサービスが登場しています。
これは、事業者が設備を提供し、ユーザーは発電した電気を一定の価格で使用する仕組みです。
ただし、契約期間中は売電利益を得られない、途中解約に違約金がかかるなどのデメリットもあるため、慎重に検討する必要があります。
③一括見積もりサービスで安く設置する
FIT価格の低下を補うために、太陽光発電の設置費用を抑えることが重要です。
そのために、 一括見積もりサービス を活用し、複数の施工業者の見積もりを比較するのがおすすめです。
一括見積もりを利用することで、以下のようなメリットがあります。
- 最安値での設置が可能
- 信頼できる施工業者を選べる
- 適正な価格を把握できる
2025年度以降に太陽光発電を導入するときの注意点
ここでは、2025年度以降に太陽光発電を導入するときの注意点を解説していきます。
それぞれ、確認していきましょう。
注意点①補助金制度の概要と活用法を事前に確認しておく
2025年度以降、国や自治体の補助金を活用することで、太陽光発電の導入コストを大幅に抑えられます。
特に「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金」は、省エネ住宅を建てるときに太陽光発電や蓄電池の導入で補助が受けられる制度として注目されています。
また、自治体ごとに独自の補助金が設けられており、東京都では「創エネ・蓄エネ支援事業」などの制度が活用できます。
法人向けにも工場やオフィスでの導入を支援する補助金が存在し、脱炭素経営を進める企業にとってメリットがあります。
補助金は年度ごとに更新され、申請期間も限られるため、最新情報を自治体や経済産業省のサイトで確認し、早めに申請の準備を進めることが重要です。
注意点②法改正による太陽光発電設置の条件・規制変更点を確認しておく
2025年度以降、新築住宅への太陽光発電設置義務化の動きが全国的に広がる可能性があり、すでに東京都では一部の新築住宅に設置が義務付けられています。
また、設備の安全基準や環境規制の強化も進んでおり、将来的にはメンテナンスやリサイクルの義務化が検討される可能性があります。
さらに、卒FIT後の売電契約に関するルールが変更される可能性があり、PPA(電力購入契約)などの新しい取引制度の普及が進むかもしれません。
これらの法改正や規制変更は、導入コストや売電収益に影響を与えるため、最新情報をチェックし、適切なタイミングで導入を決めることが重要です。
まとめ
2025年度のFIT価格は15円/kWhに引き下げられ、これまでの傾向と同様にFIT制度の売電単価は年々減少を続けています。
再エネ賦課金の増加や太陽光発電設備の価格低下が背景にあり、今後もFIT価格の下落は続く可能性があります。
しかし、FIT制度の売電価格が下がったとしても、太陽光発電の価値自体が損なわれるわけではありません。
電気料金の高騰が続くなかで、自家消費の重要性が増しており、発電した電気を賢く活用することが求められています。
FIT終了後も継続的にメリットを得るためには、蓄電池を導入して発電した電気を効率的に自家消費する方法や、電力自由化を活用して最適な売電プランを選ぶことが重要です。
また、初期費用0円の太陽光発電サービスを利用することで、導入コストを抑えることも可能です。
特に、補助金制度を活用すれば、設置費用をさらに抑えられるため、導入前には最新の補助金情報をチェックすることがおすすめです。
さらに、2025年度以降は法改正による規制の変更も考えられるため、太陽光発電の設置条件や新たなルールについても確認する必要があります。
今後は、FIT価格に依存せず、いかに発電した電気を有効活用するかがカギとなります。
FIT制度の売電価格が下がることを理由に太陽光発電を敬遠するのではなく、電気代の節約効果を最大化するための方法を模索し、賢く導入・運用するようにしましょう。