2025年度のFIT（固定価格買取制度）価格が15円/kWhに決定し、これまでの傾向通り、売電価格の下落が続いています。
FIT制度は、太陽光発電の普及を支えてきましたが、年々価格が下がっているので、売電収益だけを目的とした導入は難しくなっています。
この記事では、2025年度のFIT価格の詳細や過去の価格推移を解説するとともに、FIT価格が下落する理由を解説していきます。
また、太陽光発電を活用して利益を最大化する方法として、自家消費の有効活用、設置コストの最適化、一括見積もりの活用などの具体的な対策についても詳しく紹介。
FIT価格の低下に左右されず、賢く太陽光発電を導入・運用するためのヒントを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【2025年】FIT価格の動向と詳細
2025年度のFIT（固定価格買取制度）の価格推移は、太陽光発電の設置を検討している人にとって重要な情報です。
経済産業省は毎年、売電価格を発表しており、FITの価格は年々減少傾向にあります。
ここでは、2025年度のFIT価格と2024年との比較、さらに出力制御対応機器設置義務の影響について詳しく解説します。
2025年度のFIT価格は？
経済産業省が発表した2025年度のFIT価格は、15円/kWhとなっています。
これは2024年度の16円/kWhから1円の下落となり、これまでの傾向を踏襲したものです。
FIT制度では、太陽光発電の導入者が一定期間、固定価格で電力会社に売電できる仕組みですが、その買取価格は年々下落しています。
この価格の下落は、太陽光発電の普及や設備コストの低下といった削減によるものです。
FIT価格の下落は、投資回収期間に影響するため、太陽光発電の設置を考えている人は、早期に導入を決めることが重要です。
2024年との比較
2024年度のFIT価格は16円/kWhでしたが、2025年度は1円下落し15円/kWhとなりました。
以下は、2021年から2025年までのFIT価格の推移です。
年度 FIT価格（10kW未満） 2021年 19円/kWh 2022年 17円/kWh 2023年 16円/kWh 2024年 16円/kWh 2025年 15円/kWh
FIT価格は、毎年約1円ごとに下落しており、2025年度も例外ではありません。
FIT価格の変動は、電力需要や再生可能エネルギーの市場環境に大きく影響されるため、今後の動向にも注目が必要です。
FIT価格が下落する2つの理由
ここでは、FITの価格が下落する理由について解説していきます。
それぞれ、確認していきましょう。
理由①本体価格の低下と市場背景
FIT価格は、太陽光発電システムの導入コストに基づいて決定されます。
近年、太陽光発電の技術革新によりパネルの製造コストが大幅に下がっており、その結果、システム全体の価格も下がっています。
このような背景により、FIT価格も調整され、投資回収を想定した適正価格は今後下落していくので、「とにかく安く設置するか」が重要になってきます。
理由②FIT価格の推移：過去5年間の比較
FIT価格の推移を確認すると、毎年1円ずつ下落していることがわかります。
以下の表は、過去5年間の住宅用太陽光発電（10kW未満）のFIT価格の推移を示したものです。
年度 FIT価格（10kW未満） 2021年 19円/kWh 2022年 17円/kWh 2023年 16円/kWh 2024年 16円/kWh 2025年 15円/kWh
FIT価格は政策と市場の変化によって低下しておりますが、今後もこの傾向は継続すると予測されます。
電力市場全体が変動するなかで、FIT終了後の売電価格がどうなるかは意識的に考える必要があります。
特に電気料金の上昇により、自家消費のメリットが増加しているため、FIT価格の低下に対して適切な対策をとることが重要です。
太陽光発電で利益を最大化する3つの方法
ここでは、太陽光発電で利益を最大化するための方法について解説していきます。
それぞれ、確認していきましょう。
①自家消費でメリットを維持する
太陽光発電で利益を最大化するには、「売る」よりも「使う」ほうが良いです。
特に、FIT終了後の売電価格が下がることを考えると、発電した電気を自宅で使う「自家消費」が最も合理的な選択肢になります。
自家消費のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
・電気代を削減できる
・電力価格の上昇に影響されにくい
・余剰電力を蓄電池に置いて有効活用できる
②一括見積りで設置コストを抑える
FIT価格が下がっている今、設置コストを考えることが重要になっています。
施工業者によって価格差があるため、一括見積もりを利用することで、費用を抑えることができるケースも。
一括見積りのメリットは、以下のとおりです。
・複数の業者を比較できる→最安値を見つけやすい
・価格交渉の材料になる→コストダウンの懸念あり
・悪徳業者を回避できる→適正価格を知ることができる
特に、補助金の活用なども含めたトータルコストを比較することで、よりお得な契約を結ぶことができます。
③初期費用0円プランを利用する
最近では、「初期費用0円」で太陽光発電を導入できるプランが登場しています。
初期費用0円プランの仕組みは、下記のとおりです。
- 太陽光発電設備をリース契約→月額料金を支払う
- 売電収入とローン返済が相殺→ 設置者の負担が軽減
- 一定期間後に設備の所有権が移る→その後は自家消費で電気代削減
また、注意点は下記のとおりです。
- 途中解約時に間違い約金が発生する場合がある
- 契約内容によっては利益が出にくい
- 所有権が移るまでの期間が長い場合がある
契約内容を十分に比較し、メリット・デメリットを理解したうえで導入を検討することが重要です。
一括見積りで費用を抑えるための２つのポイント
太陽光発電を導入するとき、どの施工業者を選ぶかによって、設置費用やサービスの質が大きく異なります。
FIT価格が下がるなかで収益性を確保するためには、最低限のコストを抑えて設置することが重要です。
ここでは、一括見積もりを活用して見積もりを最適化するための２つのポイントを解説します。
ポイント①信頼できる施工業者の見極め方
太陽光発電の設置には、施工の品質やアフターサポートが重要です。
安さだけで選んで、後から「思ったより発電しない」「メンテナンス対応が悪い」といったトラブルに遭遇することもあります。
施工業者を選ぶときには、下記のようなチェックポイントをしっかり把握して選ぶようにしましょう。
・過去の施工実績が豊富か→ 経験が多い業者ほどトラブルが少ない
・口コミ・評判が良いか→ 実際の利用者の評価を確認する
・保証が充実しているか→ 設備保証・保証施工がしっかりし旬
・見積もり内容が明確か→価格の内訳や追加価格のチェック
複数の業者を比較することで、適正や価格サービスの質を分かりやすくなります。
ポイント②高品質なシステムをリーズナブルに導入
太陽光発電のシステムには、パネルやインバーター、蓄電池などの設備が含まれます。
安価な製品を選ぶと発電効率が低くなる可能性があるため、コストと品質のバランスを考慮することが大切です。
高品質なシステムを安く導入する方法は、下記のような方法が挙げられます。
- 補助金制度を活用する→ 国や自治体の補助金を利用し、設置費用を軽減する
- メーカー保証を確認する→長期保証があるメーカーを選ぶことで安心感アップ
- 一括見積りで価格を比較する→最適なコストでな高性能システムを導入可能
一括見積もりを活用することで、コストを抑えつつ高性能な設備を選ぶため、効率の高い太陽光発電を実現できます。
まとめ
2025年度のFIT価格は15円/kWhに下落し、これまでの傾向通り、売電単価の低下が続いています。
太陽光発電の導入を検討している人にとっては、FIT制度のみに頼るのではなく、自家消費を積極的に取り入れ、発電した電力を最大限活用することで、電気料金の削減効果を高めることが重要です。
また、FIT価格の下落により、設置コストを考えるかが大きなポイントとなります。
施工業者ごとに価格やサービスの質が異なるため、一括見積りを利用して適正価格をつかみ、信頼できる業者を選ぶ初期費用0円プランなどの選択肢もありますが、契約内容を十分に検討し、慎重に判断する必要があります。
太陽光発電は、FIT価格が下がっても長期的なメリットを得られるエネルギー投資の１つです。
売電収益に頼るのではなく、自家消費と蓄電池との組み合わせを考え、最適な運用方法を選ぶことで、電気代の削減や環境負荷の軽減につながります。
今後のエネルギー市場の動向を踏まえながら、自分にとって最適な方法で太陽光発電を活用するようにしましょう。
