太陽光発電を導入するとき、多くの人が気になるのが「売電収入」です。
どの程度の収益が見込まれるのか、計算方法や影響要素を正しく理解することが重要ですよね。
ただし、売電価格は年々低下しており、単純に発電量を増やすだけでは十分な収益を確保することが難しくなってきています。
この記事では、売電収入が安定しない原因やその対策についても紹介し、長期的に安定した発電収入を得る方法を教えます。
太陽光発電で安定した暮らしを手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください!
太陽光発電の最新売電価格は? 
太陽光発電を導入する際に気になるのが「売電価格」です。
売電価格は年々変化しており、現在の価格を把握しておくことが重要です。
特に、固定価格買取制度(FIT)の影響を受けるため、政府の方針や市場動向により売電価格が見直されることがあります。
売電価格の経過はどうなっているの?
太陽光発電の売電価格は、2012年のFIT制度導入以降、年々下がっています。
これは、太陽光発電の設備コストが下がり、発電事業の収益構造が変化しているためです。
例えば、FIT制度が始まった当初の2012年には、10kW未満の住宅用の売電価格は42円/kWhでした。
ただし、2024年度では16円/kWh、2025年度には15円/kWhまで下がる予定です。
このように、売電価格の低下が進んでいる間に、太陽光発電設備の導入コストは下がっており、初期投資の回収期間は概ね10年前後と言われています。
当初の売電価格の考え方
FIT制度が導入された当初の売電価格は、高く設定されていました。
これは、再生可能エネルギーの普及を促進し、投資家や事業者が安心して太陽光発電を導入できるようにするためです。
本日の価格設定のポイントは以下の通りです。
しかし、技術の進歩や設備の低下に伴って、政府は売電価格の見直しを進め、現在では徐々に低価格化しています。
太陽光発電を活用して、自家消費を増やす工夫や発電効率の向上が重要なポイントとなりました。
太陽光発電の売電収入の計算方法は? 
太陽光発電の導入を考えるとき、売電収入がどの程度になるのかを把握することは重要です。
売電収入は、単純な計算式で求めることができますが、さまざまな要素が影響を考慮するため、実際の収入を正確に見積もるには慎重な計算が必要です。
ここでは、売電収入の計算方法やシミュレーション、計算時の注意点について詳しく解説します。
売電収入の基本計算式
売電収入は、基本的に以下の計算式で求めることができます。
売電収入(円) = 売電価格(円/kWh) × 売電量(kWh)
(例)2024年度の売電価格が16円/kWhの場合、年間の売電量が5,000kWhであれば、単純計算では以下のようになります。
16円 × 5,000kWh = 80,000円(年間売電収入)
ただし、これは理想的な条件での計算であり、実際の売電収入は発電効率、地域ごとの日射量、天候、設備の劣化などによって変動します。
そのため、より詳細なシミュレーションをおこなうことが重要です。
売電収入シミュレーションの具体例と注意点
より精密な計算をおこなうためには、以下の計算式を使用します。
年間発電量予想量(kWh)の計算
年間の発電予測量(Ep)は以下の式で求めることができます。
Ep(年間発電量) = H(日射量) × K(損失係数) × P(システム容量) × 365(日数) ÷ 1 標準状態における日射強度
- H = 設置面の日射量(kWh/㎡/日)
- K = 緩係数(一般的に0.8程度)
- P = システム容量(kW)
(例)日射量が4.0kWh/㎡/日の地域に、10kWの太陽光発電システムを設置した場合
年間発電量 = 4.0 × 0.8 × 10 × 365 = 11,680 kWh
この発電量に売電価格を置くことで、売電収入を求めることができます。
11,680kWh × 16円/kWh = 186,880円(年間売電収入)
実際に計算する際のポイントとよくある間違い
売電収入を計算するときには、以下の点に注意する必要があります。
①自家消費分を考慮する
住宅用(10kW未満)や、事業用(10kW50kW未満)の場合、一部の発電量は自家消費されるため、全量を売電できるわけではありません。
同様に、10kW以上50kW未満の場合、30%を自家消費する必要があります。
(計算例)
- 年間発電量 = 11,680kWh
- 自家消費率 = 30%
- 売電可能量 = 11,680 × 70% = 8,176kWh
- 年間売電収入 = 8,176 × 16円 = 130,816円
②季節による発電量の変動
太陽光発電は、季節や天候に大きく左右されます。
夏場は日射量が多く発電量が多く、冬場は発電量が大きく落ち込むため、年間を通した平均値で計算する必要があります。
③設備の劣化を考慮する
太陽光パネルは経年劣化するため、毎年1%程度の発電量低下があると想定しておくと、より正確な収入予測が可能です。
売電収入を計算するときに押さえるべきポイントは? 
特に、システム容量や地域ごとの日射量の違い、季節などの変動は、発電量や売電収入に大きな影響を与えます。
ここでは、売電収入を計算するときに、特に注目すべきポイントについて詳しく解説します。
容量ごとに計算の違い
太陽光発電システムの容量(kW)によって、売電のルールや収入の計算方法が異なります。
1. 住宅用(10kW未満)
- 売電方式:余剰売電のみ
- 自家消費が必須:発電した電力のうち、余った分だけを売電
- 売電価格(2024年度):16円/kWh
- 売電価格(2025年度):15円/kWh
住宅用の場合、発電した電力の一部を家庭で消費するため、売電収入だけでなく電気代の節約も考慮する必要があります。
2. 事業用(10kW以上50kW未満)
- 売電方式:残余売電または全量売電(選択可能)
- 自家消費要件あり:30%以上を自家消費する必要がある
- 売電価格(2024年度・2025年度):10円/kWh
この区別では、全量売電と余剰売電のどちらを選ぶかによって、収益モデルが変わります。
特に、最近では電気代の高騰を考慮し、自家消費を増やして電気代を削減する企業も増えています。
3. 50kW以上の産業用
- 売電方式:基本的に全量売電
- 売電価格(2024年度):9.2円/kWh
- 売電価格(2025年度):8.9円/kWh
- FIP制度が適用される:電力市場価格と連動する報酬制度
このクラスの発電設備では、単純な売電収入だけでなく、市場価格の変動や投資回収計画をおこなう必要があります。
季節や地域による日射量の影響
太陽光発電の発電量は、地域ごとの日射量や季節によって大きく変わります。
そのため、売電収入を正しく予測し、以下の点を考慮することが重要です。
1. 地域ごとの日射量の違い
日本国内では、地域年間によっての日射量が異なります。
- 最も日射量が多い地域(九州・沖縄):年間平均日射量4.5~5.0kWh/㎡/日
- 標準的な地域(関東・東海):年間平均日射量4.0~4.5kWh/㎡/日
- 日射量が少ない地域(東北・北海道):年間平均日射量3.0~4.0kWh/㎡/日
地域によって発電量に差があるため、同じシステム容量でも売電収入が大きく異なります。
2. 季節ごとの発電量の変動
発電量は夏に多く、冬に少ないという特徴があります。
季節 日射量の特徴 発電量 春(3~5月) 日射量増加 発電量の増加 夏(6~8月) 日射量がピーク、これから猛暑で効率低下も 最大発電 秋(9~11月) 日射量が減少 発電量やや低下 冬(12~2月) 日射量が最も少ない 発電量が大きく低下
冬場は特に発電量が低下するため、年間を通じた売電収入を計算するときには、月ごとの発電量データを把握することが重要です。
太陽光発電の売電収入を増やす方法はこれ!
売電価格が年々低下しているなかで、太陽光発電の売電収入を最大化するためには、太陽光発電だけではなく、効率的な電力の活用や設備管理が重要になります。
ここでは、売電収入を増やすための具体的な方法について解説します。
①余剰売電の場合は節電を意識する
住宅用(10kW未満)や一部の事業用(10kW50kW未満)では、発電した電力のうち余った分のみを売電する「余剰売電」方式が適用されます。
この場合、自家消費を抑えて売電量を増やすことが、売電収入アップにつながります。
- 電気の使い方を見直す
- 不要な照明を消す
- 省エネ家電を導入する
- エアコンの設定温度を正しく調整する
- ピーク時間帯の消費電力を重視
- 夜間の電力消費を減らすことで、発電した電力をより多く売電できる
- 蓄電池の取り付け
- 夜間の発電電力を蓄電し、夜間や早朝の電力消費に省かれることで、自家消費を抑えられる
- 余剰電力を確保し、売電収入を増やせる
家庭や小規模事業者では、これらの方法を使うことで、売電量を最大化し、収入アップが可能です。
②正しいメンテナンスで発電効率を維持する
太陽光パネルの発電効率は、設置当初は高いもの、汚れや経年劣化により徐々に低下していきます。
そのため、定期的なメンテナンスをおこない、常に最高の発電ができる状態を維持することが大切です。
- パネルの定期的な清掃
- ホコリや鳥のフン、落ち葉などがパネル表面に付着すると発電量が低下するため、定期的に清掃する
- 野立て設置の太陽光発電では、周囲の環境によって汚れやすいため注意
- ホットスポットの点検
- 汚れた部分や故障したセルが局所的に加熱する「ホットスポット現象」が起こり、発電効率の低下やパネルの破損につながる
- 専門業者による定期点検を受けると安心
- パワーコンディショナーの点検と交換
- パワーコンディショナー(PCS)は、発電した電力を家庭用・事業用電源に変換する装置
- 経年劣化により変換効率が低下するため、10〜15年ごとに交換がおすすめ
- 雑草管理
- 太陽光パネルの下に雑草があると、発電効率が低下する
- 除草シートを敷いたり、定期的に草刈りを行うことで発電量を安定させる
適切なメンテナンスをおこなうことで、太陽光発電の寿命が伸び、安定した売電収入を確保することができます。
売電収入が安定しない?その原因とは?
太陽光発電を導入したものの、思ったより売電収入が少ない、または年によって売電収入が変動するというケースがあります。
ここでは、売電収入が不安定になる主な要因と、その対策について解説します。
①天候や季節による影響
太陽光発電は、日射量が発電量に直接影響を与えるため、年間子供の天候の違いが収入に大きく関係します。
特に、梅雨の時期や台風の季節、冬の積雪などは発電量が大幅に低下します。
・季節変動による発電量の違い
- 夏(6〜8月):発電量が最も多い
- 春・秋(3〜5月、9〜11月):安定して発電
- 冬(12〜2月):日射時間が短く、発電量が大幅に低下
②太陽光パネルの汚れや故障
太陽光パネルにホコリ、鳥のフン、花粉、黄砂などが付着すると、発電効率が低下します。
特に、野立て設置の発電設備は、周囲の環境によって汚れが付きやすいです。
定期的にパネルの清掃をおこなったり(特に野立ての場合は年2回以上)、専門業者による定期点検(3〜5年に1回)を受けることが重要です。
③売電価格の変動
固定買取価格制度(FIT)は年々、見直され、売電価格が落ちています。
10kW未満の住宅用太陽光の売電価格は、以下のようになっています。
年度 売電価格(円/kWh) 2012年 42円 2015年 33円 2020年 21円 2024年 16円 2025年 15円
50kW以上の発電設備では、FITではなくFIP(市場連動型の買取制度)が適用され、電力市場価格に左右されるため、売電収入が変動しやすいです。
FITが適用されるうちに契約を結び、買取価格を固定したり、余剰売電の割合を減らして自家消費型の運用に努めることが重要です。
④設置環境による影響
設置当初は問題がなくても、近隣の建物が建つ、木が成長することで効果ができ、発電量が低下することがあります。
屋根設置の場合、設置の角度や方角によって発電効率が変わります。
設置前にはシミュレーションを必ずおこない、影響がないか確認するようにしましょう。
まとめ
太陽光発電による売電収入を最大化するためには、適切なシミュレーションが必要です。
また、発電効率を維持するために、パネルの定期的な清掃や点検、パワーコンディショナーの適切な管理が重要になります。
売電収入が安定しない原因としては、曇天や積雪の影響で発電量が減少することや、汚れや影による発電効率の低下が考えられます。
また、売電収入だけに依存するのではなく、自家消費を増やして電気代を削減するという観点も大切です。
特に、FIT制度の見直しやFIP制度の導入によって売電価格の変動があるため、発電した電力を効率よく活用しながら、売電収益を最大化する工夫が求められます。
太陽光発電を設置するときには、設置費用だけでなくさまざまなシミュレーションをおこない、検証をおこなうようにしましょう。